「ステージに立ちたい人が、音楽の仕事をできる場所」という想いのもと設立された株式会社サウンドキューブ。同社は約1万人以上いるスタッフの個人情報のマネジメント体制を整えるべく、プライバシーマーク(以下、Pマーク)を取得し、この度4回目の更新をされました。
Pマークがどのようなメリットをもたらしたのか、またその取得と更新にあたり、オプティマ・ソリューションズのコンサルティングを利用した背景と効果について、人財管理部 部長の平野智也氏に詳しくお話を伺いました。
御社の事業内容を教えてください
弊社は主にライブコンサートなどの公演に関して、運営、会場案内、機材の設営および撤去に至るまで、幅広い業務を担っている企業です。
スタッフの登録者数は約1万人を超え、各公演がスムーズに運営されるように常に努力を重ねています。また、クライアント様との協力体制のもと、カスタマイズされたイベントを創出し、お客様にとって忘れられない感動の瞬間をサポート(イベントサポート)することを目指しています。
事業内容においてPマークはどんな理由で大切だと感じますか?
コンサート業界を見渡しても、 Pマークを取得しているケースは珍しいです。
そのような中で、弊社はPマークを取得して8年が経ち、今では「個人情報についてきちんと取り組んでいる企業」として自社スタッフだけでなく、クライアント様からも信用をいただいていると感じます。
弊社でご登録をいただいているスタッフの皆さんはすでに1万人を越えています。大きなライブ会場だと、一か所の運営で300人くらいのスタッフが動きます。同時に複数個所でライブを運営することもあり、そういう時には一日で計1,000人を越えるスタッフが動く場合もあります。Pマーク取得により、現場での情報管理体制もブラッシュアップされ、スタッフの皆さんも一層安心して働いていただけるようになったと思います。
出退勤を管理するだけでも、膨大な個人情報が動きます。住所が変わったり、メールアドレスが変わったり、その度ごとに、スタッフの皆さんからお預かりしている個人情報を更新することもあります。
また、スタッフ登録の際は、身分証明書を確認させていただいています。そのような時に「この会社を信用していいのかな?」という無用の不安を抱かせないためにも、やはりPマークを取得して良かったと感じています。
当社オプティマ・ソリューションズをコンサル会社に選んだ理由を教えてください
2013年、グループ会社である株式会社ライブパワー(以下、ライブパワー)としてPマークを取得したことが、弊社がPマークを取得するきっかけでした。当時、御社が弊社グループの池袋オフィスと同じオフィスビルに入居されていたこともあり、コンサルティングをお願いしました。
私はライブパワーのPマーク取得から運用に関わっていますが、その頃、右も左も分からなかったのを今でも覚えています。「そもそもPマークって何だろう?」という初歩的なところからのスタートでした。しかし、御社のコンサルタントの説明は分かりやすく、親身になって対応していただけたので、とてもスムーズに理解することができました。特段の苦痛を感じることなく学び始められたことは、私の中でとても印象に残りました。
ライブパワーのPマーク取得の後2015年に、グループ全体でも取り組むことになり、弊社も取得することにしました。当然、その時も御社にコンサルをお願いしようと思いました。
Pマーク更新時の率直な感想を教えてください
Pマーク取得時と1回目の更新の審査は、とても苦戦しました。審査での指摘事項に対応していく中で、Pマークについて理解したつもりでいましたが、今から思うとあまり理解できていなかったのだと思います。
しかし、御社のコンサルタントがとても分かりやすく教えてくれたので、「今、目の前に起こっていることのみの対策」ではなく「今後の対策」を練ることができました。そのお陰もあり、現在は2回連続で「指摘事項ゼロ」で更新ができています。これは私自身、とても誇りに思っていることです。
素晴らしいですね。何が要因で指摘事項ゼロを達成できたと思いますか?
逆にメンバーのことを絞め付け過ぎない様、気を付けています。
Pマークを運用していく中で、リーダーである私だけが把握していても、約1万人以上のスタッフの個人情報を一人で取り扱うことはできません。やはりチーム全体で運用していく意識が大切です。
個人情報の取り扱いは、細心の注意を払って行うべきもの。しかし、何から何まで事細かにメンバーに押し付けるだけでは、個人情報を正しく取り扱うことには繋がりません。音楽も仕事も同じで、ブレス(息継ぎ)と、休符が必要です。
そして、「やれ」ではなく、各自が「やろう」と思えるよう導いた結果、メンバーが試行錯誤を繰り返し、少しずつ、そして確実に個人情報の重要性と運用のスキルを身に付けていってくれたことが、プライバシーマーク付与事業者の中でも異例の2度の指摘事項ゼロに繋がったのだと思います。そのレールを敷いてくれたのが御社のコンサルティングです。
社内の個人情報保護の体制を教えてください
主に私を含めて3人で個人情報保護の運用を行っています。私はその3人のチームリーダーというポジションです。弊社では定期的にPMS教育理解度テストを行っています。私が採点をすることで、メンバーの認識に相違がないかを確認しています。内部監査に関しては、各部門に一任していますが、認識の違いや抜け漏れがないように連携を取れる体制を整えました。
運用において最も手間がかかっていることは何ですか?
率直にお答えすると、現在特に手間がかかっている事柄はありません。
それは、自社グループでスタッフ登録専用のアプリを開発したことなどで、紙媒体での管理を廃止することが可能になり、個人情報の取り扱いが格段にスムーズになったからです。紙媒体で管理をしていた当時は、スタッフの個人情報が変更される度にロッカーから取り出して内容を差し替える必要がありました。しかし、現在ではセキュリティ対策が整った自社アプリ、管理システムの活用により、パソコンの画面で全ての処理ができるようになっています。もちろん、電子化に伴い、紙媒体とは異なる注意点が出てきていますから、電子化に対応した運用体制を整えるようにしています。
企業の展望を教えてください
私たちは、音を生み出して、音を育てていく企業グループにしたいと思っています。ただ単純にライブコンサートを支えるだけではなく、「音楽を創る」企業でありたいのです。私は、アーティストの方々に対して、安心して私たちにお客様を任せて頂き、納得いくまで音楽に集中してほしいという想いがあります。お客様に対しては、目の前で奏でられる音楽をストレートに感じてほしいと思っています。こうした想いを紡ぎながら、アーティスト、お客様、そしてスタッフと共に音楽を創り続けていきたいです。
これからPマークを取得する方に熱い一言をお願いします!
「自力で取得することだけが正解ではない」とお伝えしたいです。もちろん、自力で取得や更新をされている素晴らしい企業様もあるのでしょう。しかし、私は「オプティマ・ソリューションズさんにコンサルタントを頼んで良かった」と心から思っています。
特に良かったと思う点は、JIS規格や審査基準の変化に敏速に対応してくれるところです。私から質問をしなくても、先回りして情報を教えてくれるのです。「一緒により良くしていきたい」という想いが伝わるオプティマ・ソリューションズさんにお願いして本当に良かったです。
新たにPマークを取得される方も、自力で挑むことだけにこだわらず、様々な方法を検討してみることをおすすめします。
ご協力いただきまして、ありがとうございました!