「プライバシーマーク(以下、Pマーク)って、取得したほうがいい?」そんなご相談をいただくことがあります。
例えば、これが申請をすればすぐに取得できるものであったり、一度取得してしまえば永久的に使えるものであるなら「とりあえず取得しておく」というのもアリだと思います。
しかし、実際には取得までには時間もコストもかかり、取得したあとも2年ごとに更新審査に合格しなければいけません。
「そんなに大変なら、やめておこうかな…」そう思うかもしれませんが、やはりそれだけ大変な思いをした分、取得後に業績が大きく伸びたというケースも多々あるのです。
現在、Pマークを取得している企業数は17,000社を超えていて、毎年付与事業登録者数は増加しています。
取得企業数は、JIPDECのホームページ上で公開されていますので、ぜひチェックしてみてください。
では、実際にどんな事業者が取得しているのか?という点について、今回は詳しくご紹介したいと思います。
なお、事業分類についてはPマーク制度独自のものを採用しているため、それぞれどのような事業者が含まれるのかについても触れていきます。
1位 情報サービス・調査業
Pマークを取得している事業者で、もっとも多いのが情報サービス・調査業です。この結果には納得される方も多いのではないでしょうか。
人事系のソフトウェア開発を行う企業や、人材派遣・人材紹介を行う事業者など、サービスを展開したりマーケティングを行うために個人情報を扱う機会が多い企業が取得しています。
今はスタッフの登録やアンケートの実施をWEBで手軽に完結させる企業が増えていますが、容易に個人情報が集められるようになった反面、狙われるリスクも高くなっているため、企業側も対策が必要です。
また、Pマークを取得している企業なら自分の情報を安心して渡せると考える方も多く、この業界では今後Pマークの取得がスタンダードになると思われます。
2位 その他サービス業
2位となったのは、その他のサービス業で、情報サービス業や広告業、生活関連サービス業に含まれない事業者がこれに当たります。
例えば、コールセンターやBPO業務を行う事業者といったように、クライアントから個人情報を含む業務を受託するケースが多い事業者の取得が伸びています。
従業員がリモートで業務を行うといったケースも多く、よりそれぞれのスタイルに合ったセキュリティ対策が求められる業界といえます。
3位 出版・印刷・同関連産業
次いで多いのが、出版・印刷・同関連産業で、その名のとおり出版社や印刷業者が含まれます。
特に、名刺の印刷や個人情報が記載されている原稿を印刷する場合、個人情報の管理が重要となるので、Pマークの取得に前向きな企業が多くなっています。
新しく取得するのはもちろん、印刷物や制作過程で個人情報が形となって残ることもあり、形式の異なる個人情報の適切な取り扱いが求められるため、Pマークの取得は企業の価値を上げる手段として有効です。
TOP3は以上です。
もちろん、上記以外の業界でも積極的にPマークの取得を目指している企業はたくさんあります。
また、Pマークの付与認定機関である一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)によると、2024年3月31日時点での各業種別Pマーク取得事業者数は、以下のとおりです。
業種 | Pマーク取得事業者数(社) |
サービス業 | 13,579 |
製造業 | 1,421 |
卸売・小売業、飲食店 | 985 |
運輸・通信業 | 772 |
建設業 | 329 |
不動産業 | 304 |
金融・保険業 | 267 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 24 |
上記表のとおり、Pマーク取得事業者数の多い業種は、圧倒的にサービス業となっています。サービス業では多くの個人情報を取扱うことが多いこと、また消費者へのアピールになることなどから多くの企業で取得されているのだと考えられます。
なお、サービス業の中で半数以上を占めているのが、情報サービス・調査業です。これらの業界では、大量の個人情報を取り扱うことが多いため、Pマークを取得する事業者が多いのだと考えられています。
次に、サービス業の中小企業でのPマーク取得事例を2社紹介します。
(引用:JIPDEC公式サイト 付与事業者の取組事例)
1.社名:Attack株式会社
事業 | 採用コンサルティング事業 |
従業員数 | 31名 |
取得理由 | 顧客企業に代わって人材紹介会社や求人メディアに求人を展開したり、候補者との日程調整や各種連絡、あとは履歴書や職務経歴書を採用管理システムに登録するといったように、採用業務に関連した個人情報を日々取り扱っているため |
取得に向けた取り組み | ・個人情報保護体制の整備・個人情報の洗い出し・リスク対策の検討・その他の対応 |
2.社名:株式会社フィールドプランニング
事業 | レストラン優待サービス「招待日和」の販売・運営など |
従業員数 | 32名 |
取得理由 | 多くの会員情報を取り扱う中で万が一個人情報の取扱いにおける事故を起こしてしまった場合の影響を考えると、その影響を最小限にするための体制整備が必要であり、そのためにはプライバシーマークの取得が有効であると考え、取得を目指すことを決断しました |
取得に向けた取り組み | ・情報収集・内部規程の策定・個人情報の特定・リスク分析・体制づくり・PMSの社内への浸透 |
自社と似たような企業の動きが気になる、という方はJIPDECのホームページから検索できますので、より詳しく知りしたいという方はチェックしてみてください。
「会社と社会の安心を守る 情報の新選組」を目指す弊社では、お客様それぞれの業務内容に合わせて、最善のセキュリティ対策をご提案しております。
Pマークの取得だけではなく、ISMS認証取得のサポート経験も豊富です。よく分からないから、この際プロに丸投げしたい…!といったご依頼も大歓迎です。
常に情報が更新されていくセキュリティ業界。本業と並行してセキュリティ対策をアップデートしていくのは容易ではありません。
しかし、手が回らないからといって後回しにしてしまうと、最悪の場合業績に影響を及ぼすことも十分に考えられます。
弊社は、幅広い知識と経験を持ち合わせる担当コンサルタントが定期的に打ち合わせを行いますので、取得から運用、更新も大変スムーズ!
当たり前のようで実は難しい「社員の皆さんが安心して本業に打ち込む」環境づくりを、親身にサポートいたします。
Pマークを取得して正しく運用出来ている企業は、製品の安全性や品質に対する取り組みを積極的にアピールし、消費者の信頼を得られるようになります。
これによって、結果的に企業のブランド価値が向上し、市場での地位確立にも繋がる可能性があります。
しかし、取得や運用には一定のコストと労力が必要で、企業にとっては戦略的な判断が求められます。なんとか取得は出来たけれど、運用がうまくいかずに更新審査に引っかかってしまった…という事態になれば、逆に企業の価値を落としかねません。
ただ、Pマークは世間での認知度が高く、あと一歩伸び悩んでいる、新規の顧客獲得に向けて何か強みが欲しいと考えている場合は、取得を強くおすすめします!
いつか動かなくてはいけないと思いつつ、なかなか最初の一歩が踏み出せていない方、ぜひお問い合せください。
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