建物のメンテナンス、工事、および独自サービスの3つの業務を柱に、建物管理の総合マネジメントを展開している株式会社Keishin様。同社は個人情報の管理体制を確立するため、2019年8月にプライバシーマーク(以下、Pマーク)を取得し、2023年に2回目の更新をしました。
今回、そのPマーク取得の背景と社内での継続した取り組みとその成果などについて、代表取締役 髙田新太郎氏と事務局を担当された管理部 管理課 課長 米良裕子氏にお話を伺いました。
御社の事業内容を教えてください。
弊社は、建物のメンテナンス、関連工事、および独自サービスの3つの業務を柱に、建築物の総合マネジメントをしている会社です。
3つの業務のうち、メンテナンスと工事が本業で約9割を占めています。メンテナンス部門では、居住用賃貸マンションやアパートの日常の清掃、消防設備の点検、給配水の清掃、建物の巡回などを主に行っており、設備の経年劣化に伴う設備関係の交換や入退居時のリフォームにも対応しています。
工事部門では、水道のパッキン交換から大規模改修まで、建物や設備の維持修繕に関わる幅広い工事を行っています。
さらに、「革命事業部」を通じて、弊社が培ってきたノウハウや材料、施工方法を活用し、お客様の具体的な問題解決に適した商材を提案・販売しています。
Pマークの取得の経緯について教えてください。

簡単な話です。私がサラリーマンの頃には、個人情報の取り扱いはきちんとやるのが当たり前だと思ってきました。ところがいざ起業してみると、社員は現場作業はできても、個人情報の取り扱いについてはわからず、きちんとできないということに気づきました。そういった経緯から、当社としてもしっかりした個人情報の管理体制を作らなければいけないと思いました。
しかし、私ひとりが「やる」と言ったところでできるわけではありません。そんな時に米良さんが来てくれたので、このタイミングで社内の個人情報保護体制をしっかりと整備をしようと考えました。
もう一つは、取引先の中でも、Pマーク持っている企業と持っていない企業とではやはり「Pマークを持っている企業と取引をします」というところが多い点です。やはり名刺交換をした時にPマークがついている方がいいですよね。もちろん、マークがついていればいいということではなく、運用もしっかりできていないといけないのですが、その辺は担当の米良さんに任せてしっかりやっていただいているところです。
米良さんはPマークに関わったのはいつぐらいですか?
2019年の株式会社KeishinとしてのPマーク取得時からです。
髙田様>
私が別会社として作った株式会社アットスマイルという会社がありまして、ここが入居者を対象にした会員制クラブのような組織を構築していたのです。一番多い時で会員数が1万人以上の規模になり、個人情報をきちんと取り扱わなくてはいけないと思いまして、Pマークを取得することにしました。
という訳で、その株式会社アットスマイルだけがPマークを持っていたのですが、それでは不十分だということで、いったん株式会社Keishinと株式会社A・S・K(アスカ)も加えたグループ3社全てでPマークを取得しました。その後、様々な経緯があり、現在は弊社だけが継続している、という流れです。
今回Pマークの新審査基準の改訂がありましたけれども、いかがでしたか?

大変と言いますか、コンサルタントの神野さんのお陰で何とかやれています(笑)。とは言っても、神野さんに全てをお願いするわけにはいきません。サポートをしていただきながら、個人情報保護規程を全面的に変更していきました。改訂があると聞くと、どこをどうしたらいいの?といつも不安になりますが、神野さんに一つずつ教えていただきながら対応することができて、とても勉強になっています。
2019年に最初に取得されてから、今回2回目の更新となりましたが、運用の方は慣れてきましたか?
はい、そうですね。審査基準が改訂されるとやり方が変わるので、そこは大変ですが、だいぶ慣れてきたと思います。
教育はどのように実施していますか?
現在はE-Learningですね。取得時は全社員向けの集合研修を午前・午後の二部制で行ったのですが、社員の時間調整や紙のテストの回収など、実際にやってみるととても大変でした。テストを回収した後は神野さんに手伝っていただいて採点をするなど、何から何まで手作業で本当に大変でした。また、集合研修に欠席する社員もおり、そうなるとまた個別にテストをしなければならず、とても大変でした。それがE-Learningになり、とても楽になりました。現場作業している社員にも、合間を見てやってもらえるので、導入して本当に良かったです。
社内の意識はどうでしょうか?変化はありましたか?
そうですね、一回目のテストで合格ラインをクリアしている社員も多いので、意識も高まってきていると思います。
内部監査はどのように実施されていますか?
営業所ごとに相互チェックしてもらっています。既に2回更新していますので、施錠などしっかりとルール化されており、営業所内で実施できるようになりました。現在は安定していて是正点もあまりない状態です。内部監査のお知らせをしても「また来たな」という感じで対応してくれます。
事務局は米良様がおひとりでやられているのですか?
もう一人の北田と二人で協力してやっています。しっかりとルーティン化できており、リスク分析での監査をする時に、現場ごとのチェックも同時にしてもらっているので、安心しています。
現地審査はいかがでしたか?
緊張感はありますよね。時間配分も気になりますし、何を見られて、どんなご指摘いただくのかわからない分、不安が多いです。しかし事前に模擬審査などの準備をしてから臨むので、その点は安心して取り組めています。また終わった後も、神野さんにすぐに来ていただいて、状況を確認していただけるのでとても安心感があります。
2回目の更新ということで、初めての審査の時よりもだいぶ慣れてきたとは思いますがいかがでしょうか?
そうですね、だいぶ慣れてきました。回数を重ねることに、学んだことが腑に落ちていく感じで、審査にスムーズに対応することができてきています。最初はイメージが湧かず、何もかも全く分からなかったので、本当に難しかったのです。まわりからすごく心配されていたんですよ。
取得してから会社全体としてどのような変化がありましたか?

導入当初から見ると「社員意識が変わってきた」というのは一つの成果だと思います。ただ弊社の場合、人の出入りが多いので、今後の課題は人が変わっても同じ水準を維持することだと思っています。
世の中の情勢により、やるべきことも変わっていくと思いますが、知らなければ覚えればいいし、できていなかったらやればいいだけの話です。何においても、別に命まで取られるわけではないですからね(笑)。それで成長しますので。何事も自分たち次第です。
なるほど!とても印象に残るお言葉です!私も肝に銘じます(笑)
ありがとうございます。
当社にコンサルティングを依頼されて良かったことを教えてください。
はい、神野さんがいたから弊社はPマークを取れたというぐらい、きめ細やかなお気遣いをいただき、様々な観点で見ていただきました。そのおかげで、私も理解しながら運用できているので、コンサルをお願いしてよかったと思っています。ありがたいです。
これからPマーク取得を考えている企業様に何か一言ありましたらお願いします。
やはり個人情報の取り扱いは、しっかりとやらなくてはいけないことなので、今できていなければなるべく早く着手した方がいいと思います。やれば結果は必ず出てくるので、やるべき時にやった方がいいと思います。
米良さん、事務局として何か一言ありますか?
Pマークを取得することは、自分たちの個人情報を守ることになるので、そこが一番良いところかなと思っています。企業にはマイナンバーなど、様々な個人情報があると思いますが「会社の社員たちの情報を守る」ということが一番大事だと思います。この記事を見て、Pマークを取ろうと思っていただけたら私も嬉しいです。社員も安心して働けるようになると思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました!

【体験談】Keishin様(建物管理総合マネジメント・Pマーク取得/更新)
事業内容:建物のメンテナンス、工事、および独自サービスの3つの業務を柱に、建物管理の総合マネジメントを展開している
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