紛失防止デバイス「MAMORIO」をはじめ、「なくすを、なくす」をミッションとした製品・サービスを展開するMAMORIO株式会社は、法人向けサービス「MAMORIO Biz」の拡大を目指して、2021年6月にプライバシーマーク(以下、Pマーク)の認証を取得しました。今回、そのPマーク認証の取得にあたり、オプティマ・ソリューションズのコンサルティングを利用した背景と効果について、同社のCorporate Div. 藤本 奈央氏に詳しくお聞きしました。
――Pマークの認証を取得するに至った背景をお聞かせください。
「MAMORIO」を活用した法人向け紛失防止サービス「MAMORIO Biz」をさらに拡大していきたいと考えたことがきっかけです。おかげさまで、一般ユーザー向けの「MAMORIO」は多くの方にご愛用いただき、大変高い評価をいただいております。当社としては、これをビジネスの現場でも活用していただく「MAMORIO Biz」も広めていきたいと考えています。
「MAMORIO Biz」では、管理者用コンソールでデバイスの位置情報を一元管理できます。例えば会社が支給するPCやタブレットに付けておくことで、紛失リスクを大幅に低減します。万が一の紛失の場合でも、第三者の手に渡ることなく回収することにより、個人情報の漏えいを防ぐことができます。その他にも、不動産管理における鍵管理など、紛失する可能性が高く、紛失した場合の被害が大きい物品に対して「MAMORIO Biz」は大きな威力を発揮します。
このように、物品管理の悩みを解決する「MAMORIO Biz」は、市場からの反響も高く、順調にユーザー数を増やしていますが、我々としてはもっと多くの企業で活用していただきたいという率直な想いがあります。そこで、さまざまな施策のひとつとしてたどり着いたのがPマークの取得でした。
具体的な数字として把握しているわけではないのですが、商談の場でPマークの話が実際に出ているようです。そういう時に「当社はPマークを取得しています」と胸を張って言うことができれば、商談を大きく前進させられるのではないかと考えたのです。
――当初からコンサルティング会社を入れる予定でしたか。
当社は小規模な会社ですから、Pマーク取得に割けるリソースに限りがあります。私自身、前職でPマークを取得した瞬間に立ち会ったことはありますが、実務で携わったことはありません。ですから、当初からコンサルタントありきのPマーク取得プロジェクトでした。
――コンサルティング会社は比較・検討されましたか。
3社のコンサルティング会社を比較検討しました。1社は前任者が前職で利用したことがあるコンサルティング会社。もう1社はWebで検索したコンサルティング会社。そしてもう1社が当社の代表の増木から紹介されたオプティマ・ソリューションズでした。それぞれピックアップの経緯は異なりましたが、それぞれにリモートでの面談を実施して、Pマーク取得までのプロセスやコスト面などを確認させていただきました。
――オプティマ・ソリューションズを選定した理由をお聞かせください。
当社代表の紹介というバイアスは抜きに、以下の理由でオプティマ・ソリューションズをPマーク取得のコンサルティング会社に選定させていただきました。
<面談時の誠実な対応>
リモート面談の際、非常に分かりやすく誠実な対応が印象的でした。当社としても、これなら任せても大丈夫という考えで一致しました。
<ユーザー事例が豊富>
オプティマ・ソリューションズのWebサイトを拝見させていただきました。その際、ユーザー事例が豊富に掲載されていたこと、そのユーザー事例を通じて当社規模の企業にも手厚いサポートをされていることなどを知って、大きな安心感を得ることができました。
<自走の支援>
すべてお任せではなく、自走できる体制は整えていきたいと考えていました。ですので、自走の支援で実践豊富なオプティマ・ソリューションズが選択肢にあがりました。実際、お話したときも一緒に長く取り組んでいけそうな柔軟性を感じました。
<補助金活用の支援>
コストも当社が想定していた金額でした。また、Pマーク取得にあたって補助金を活用しようと思っていたので、それに協力していただけるかどうかも重要でした。もちろん、オプティマ・ソリューションズは協力に快諾していただけました。
――補助金について、もう少し詳しくお聞かせください。
コスト面を抑えたかったので、補助金を利用するのは前提としていました。申請したのは、全国中小企業団体中央会の「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」という補助金です。補助金の申請には指定期間内に作成、交付された見積書、発注書、請求書が必要で、さらにPマーク取得の審査費用、審査企業名、審査費用概算については申請に先立って情報を求められました。こうした面倒なやり取りにも、オプティマ・ソリューションズは根気強くお付き合いしていただき、大変頭が下がる思いでした。
――Pマーク取得までの進捗状況を教えてください。
2020年8月にコンサルティング会社の選定を行い、同年9月にオプティマ・ソリューションズにコンサルティングを依頼しました。翌年2021年1月に審査機関に申請書類を送付し、2月には現地審査を受けました。実際にPマークを取得したのは6月です。
――取得までに約10カ月を要していますが、これは想定通りですか。
代表から「できるだけ短期間で取得したい」という意向がありましたので、当初は半年を想定していました。そのため、Pマーク取得のプロジェクトメンバーも開発部門から1名、営業部門から1名、管理部門から私と計3名体制の予定でした。ところが、プロジェクトスタート前後から開発と営業のメンバーは本来の業務が慌ただしくなり、リソースの調整が難しい状況となりました。結局、3人体制ではなく、私がメインでPマーク取得に取り組むことになったため、当初の想定よりも時間がかかってしまいました。
それでも2021年2月には現地審査まで進み、3月には取得できる予定でした。しかし、管理部門も繁忙期で業務が慌ただしくなってしまい、審査機関からの指摘に対してすぐに対応できませんでした。それが取得に時間がかかった要因ですね。
――審査機関の指摘はどういった内容でしたか。
個人情報管理台帳などの書類の記載方法に関する指摘や、プライバシーポリシーの文言修正などがありました。いずれも誤りというよりは「こういう書き方をした方が望ましい」という指摘が多かった印象です。委託先評価票の提出漏れなどもありましたが、リソースや時間があれば、問題なく対応できていたと思います。
――Pマークを取得するにあたって大変だったことはありましたか。
大変なことばかりでしたね。まず、管理部門で通常の経理や労務に関する業務を行いながらでしたから、前述したように時間が足りませんでした。また、新型コロナウイルスの蔓延により、ほぼ全員がリモートワークになったことで、コミュニケーションにも影響がありました。同じ社内にいれば、その場で顔を合わせて確認できますが、リモートワークではチャットのやり取りが主体。チャットはリアルタイムにコミュニケーションできるツールとはいえ、メッセージに気が付かなければタイムラグが発生してしまいます。やはりみんなが社内にいる状態と比べるとコミュニケーションは取りづらかったと言わざるを得ないです。
――難しい状況のなか、オプティマ・ソリューションズとのやり取りはどのように行っていたのでしょうか。
担当コンサルタントの渡邊さんには、私の出社日にあわせて毎月2回くらい来社していただき、リアルに対面しての打ち合わせを行いました。新型コロナの感染が広がっているという状況のなかでしたが、打ち合わせでは前回以降作成した作業の確認から課題の洗い出し、次回の宿題など、いつも充実した内容で取得にむけたプロセスを進めることができました。
――オプティマ・ソリューションズへの評価をお聞かせください。
Pマーク取得は手探りの私としては、以下の点を高く評価しています。
<分かりやすいテンプレートがある>
規程類、様式類などのドキュメントにおいて、ルールに準じたテンプレートが用意されていたので、戸惑うことなく進めることができました。もし、最初から自分で用意するとなったら、この期間では取得できていないと思います。そもそも取得できないという結果もあり得ました。本当にありがとうございました。
<心強い親身な対応>
コンサルタントの渡邊さんは、Pマークの取得にあたっての知識や経験が豊富でとても頼りになりました。それでいて、気さくでフランクにお話できる方でした。連絡してすぐに返信をいただけた点も、とても心強かったと感じています。
<セキュリティ対策を周知させる教育支援>
Pマーク取得の取り組みの最中に、オプティマ・ソリューションズから教育資料と理解度テストをいただき、当社用に手直しして利用しました。おかげさまで、社内においてセキュリティに対する認識度を向上させることができました。
――セキュリティ対策における今後の展開をお聞かせください。
セキュリティ対策における社内の周知はまだまだだと感じていますので、まずはE-Learningなどを通じて継続的な教育が必要だと思っています。また、取得したといっても継続して記録していくドキュメントなどもありますから、漏れがないようにしなければならないと考えています。さらに、Pマークの継続的な運用や更新を考慮すると、オプティマ・ソリューションズのサポートは必要だと思っています。その際はぜひご協力ください。今後もよろしくお願いします。
――担当コンサルタントより
<Pマークコンサルタント渡邊和夫(わたなべ かずお)>
プライバシーマーク取得おめでとうございます。
代表をはじめご担当の皆様が本業でお忙しいなか。着実に作業を進めていただき、こちらとしても大変作業が進めやすかったです。ありがとうございました。現地審査では、少し指摘を受けてしまいましたが、こちらも迅速に対応していただき、無事、認定となりました。
今は認定を受けてほっとしているところだと思いますが、2年後には最初の更新審査があります。今回の取得に向けての作業を踏まえて、更新においては、よりスムーズに作業が進められることと思います。
――MAMORIO株式会社/プロフィール
「なくすを、なくす」をミッションに紛失防止デバイス「MAMORIO」を中心に据え、さまざまな製品・サービスを提供するIoTカンパニー。「MAMORIO」は世界最小クラスの落とし物防止タグで、財布、鍵、バッグなど大切なモノに付けておけば、忘れ物として検知した際、スマートフォンに通知してくれる。電池交換なしで約1年間の利用が可能。購入後、月額使用料などは一切かからない。専用アプリも無料でダウンロードできる。落とし物が多く集まる駅や商業施設のお忘れ物センターには、「MAMORIO」を検知する「MAMORIO Spot」を設置。落とし物の持ち主に検知場所を知らせてくれる。さらに、紛失した「MAMORIO」の位置情報を確定し共有する独自のシステムも構築。近年は「MAMORIO」を活用した法人向け紛失防止サービス「MAMORIO Biz」などにも注力している。