Sansan株式会社は、3ヶ月未満という驚異のスピードでPマークを取得した。
同社代表取締役社長の寺田様、取締役の角川様に、オプティマ・ソリューションズの強みを詳しく伺った。
(1)Sansanの事業内容 |
Sansanの事業内容を教えてください。
Sansanは、名刺のデータ化サービスを行っている会社です。
名刺管理は社員が独自に行っている企業が多く、会社で管理しようとなると想像以上に時間が割かれるため、当社のサービスを利用する企業様が増えています。
Sansanのサービスを導入することにより名刺管理はもちろん、個人情報の一元管理によりセキュリティ対策にもなり、外出先の営業が重宝するなど、名刺情報の利用機会が広がっています。
サービスの特徴としては、単にソフトウェアを提供するだけでなく、スキャナ機器の貸与や名刺をデータ化する入力サービスもセットにしてお客様に負担がかからないようにサービスを提供しています。
Pマークは、8月1日から本格的な作業をスタートして10月末に取得しました。
(2)Pマークがなければ、仕事にならない |
Pマークの話は、お客様との面談中によく上がりますよね。
当然、セキュリティの有無に関してはお客様から面談時に必ず聞かれます。
Sansanがお客様から名刺を預かるわけですから「情報の管理は大丈夫ですか?」「セキュリティ対策は大丈夫ですか?」と毎回のように聞かれます。Sansanが事業をしていく上で、Pマークは欠かせません。
Pマークの取得は、いつ頃から考えられていたのですか?
6月に会社を設立する前から考えていました。
お客様の情報を預かる仕事なので、セキュリティー対策を行っていないと話になりませんから。 また実際に営業の場面で単純に「セキュリティー対策は大丈夫です!」と言っても信頼していただけないですからね。客観的な一つの根拠として「Pマークを取得しています」と言えることは必要でした。
(3)オプティマ・ソリューションズとの出会い |
オプティマ・ソリューションズの中社長とは、どのようにして知り合われたのですか?
Pマークを自社で取得するか、外部の人に助けてもらうかと考えていた時に、知り合いのAさんから、中さんのBlogを紹介してもらって読んでいると、また別の知り合いBさんがオプティマ・ソリューションズに頼んでいるということを知り、Bさんの紹介で引き合わせていただきました。
中さんに実際にお会いしてみていかがでしたか?
非常に面白い方だなと思いました。中さんは、何冊も個人情報に関する本を執筆しているし、セキュリティ制度取得のスペシャリストという第一印象を持ちました。中さんには、Sansanの事業内容や、ビジネスが本格的に立ち上げる前にPマークを取る必要性を伝え、時間もお金も限られている中で、最適な提案をしていただきました。今思えば、門前払いではなく、真剣に話を聞いていただいたことに感謝しています。
Pマーク取得を考えた際に、他にもPマーク取得のコンサルティング会社は探されましたか?
ある程度探しました。中さんにお会いする前に、知人のつながりからPマーク取得のコンサルタントの方を紹介してもらうという話がありました。しかし、中さんにお会いしてからは他の選択肢は考えませんでした。
(4)最初は自社内でPマークを取得しようとしていた |
当初は、自社内でPマークを取得しようと考えていらっしゃったというのをお聞きしました。
そうです。Pマークの取得を考えた際にまずは自社内でとることを考えていました。ただ、会社立ち上げ当初なので、他にやることが数多くあり、どうしても手が回らず後回しになっていました。その時に、ちょうどオプティマ・ソリューションズにお会いしたんです。
(Sansan株式会社取締役:角川様)
Pマークの取得は大変ですよね。だから、誰かに背中を押してもらわないと、なかなか始めることが出来ない。最初は自分たちで取得することを考えていましたけど、実際に取り掛かるまでに少し時間がかかりましたから。オプティマ・ソリューションズに会っていなかったら、もっと時間がかかっていたと思います。
(5)Pマークを取得するのに早くても半年。それでは間に合わない |
Pマークの取得にあたり、期間に関する不安はありませんでしたか?
そうですね。印象深い話なのですが、もともと、Sansanのサービス開始が2007年の秋に決まっていたので、Pマークは2007年10月に取得するという前提で話を進めていました。
しかし、2007年6月会社設立後に「Pマーク」というキーワードをインターネットで調べた時点で、取得期間はどんなに早くても半年はかかるということがわかり、「うわっ、サービス開始には間に合わない」と思い、正直言って諦めていました。
私の場合は、お恥ずかしい話ですが勝手に3ヶ月くらいで取れると思っていました。しかし、実際には、書類などの規定類を準備して申請するまでは数ヶ月ですが、その後認証されるまでは審査機関の都合で8ヶ月くらいかかるとのこと。その時、Pマークの取得は早くても1年という現実を初めて知りました。
でもオプティマ・ソリューションズの力添えで、準備から審査機関の申請許可が下りるまでトータル90日でPマークを取得しました。中さんにお願いした後は早く取得できそうなイメージは持っていましたが、実際に3ヶ月で取れた時は、本当に安心しました。
(オプティマソリューションズ代表:中)
Sansan様のビジネスには非常に興味を持っていたので、サービス開始前にPマークを取得させたいと思っていました。
しかし、私たちとしても、それまでの最短記録が6ヶ月でしたので、正直言ってどこまで短縮できるかは自信があったわけではありません。トライアルでやってみたら、3ヶ月でできたということで、Sansanさんの要望に応えることができて本当によかったと思っています。
(6)2日間の短期合宿、取得まで90日 |
期間を短縮するために、工夫されたことはありますか?
大きく分けると二つあります。一つは準備期間の短縮、もう一つは申請期間の短縮です。まず、下記図をご参照ください。
一般的なPマーク取得期間は図1のように、12ヶ月ほどかかります。
進め方としては、1~2週間に1回打ち合わせを実施して、次打ち合わせまで宿題を出すという進め方が主流です。(図2参照)
しかしそれではどうしても準備期間が長くなってしまいます。そこで、Sansan様には準備期間の短縮のために、2日間の合宿取得を提案しました。
そのフローが図3です。
Sansan様では図3のように、2日間にやるべきことを短縮して集中的に作業を終わらせました。
審査期間の短縮に関しては、受審側で出来ることは少ないのですが、指定機関の方が少しでも早く審査をしていただけるのではと考え、あえてプライバシーマークの総本山である日本情報処理開発協会(JIPDEC)さんではなく、指定機関と言われる日本データ通信協会さんにお願いしました。
期間短縮によるクオリティーの低下はなかったのですか?
出来上がってみたらしっかりしたものが出来ていました。
実際に審査員の方が来られた時に、「短期間で準備したとは思えないほど、質が高い」とお褒めいただきましたからね。クオリティーが低いということはまったくないと思いますよ。また、取得後は、構築したPMSの運用を継続していますが、当社のセキュリティレベルは確実に維持されています。
質が高いというのは?
規定集、文書類、文書のクオリティーです。 Pマーク取得の方法は、通常ひな形をベースにその企業用に変えていくのですが、この規定集、文書類、文書のクオリティーが非常に高いのです。
(7)オプティマ・ソリューションズの脅威の仕事力 |
オプティマ・ソリューションズのコンサルタントはいかがでしたか?
頭が良く、仕事が早い、そしてPCスキルも非常に高く、何をすべきかが分かっていらっしゃいました。私の場合、仕事が早いのが好きなので気持ちが良かったですね。
どの点で仕事の早さをお感じになられましたか?
例えば、会議室の入退室管理をどうするかという議論がありました。
そのとき、規程ではこうでこうで、さあどうしますか、みたいな話ではなくて、「会議室はオープンスペースにして入退室管理はしないということにしましょう」と、Sansanの身の丈にあった具体的な提案をしてくれました。
Pマーク取得の際にやらなければならないことは山ほどあります。ただ、オプティマ・ソリューションズの場合は、やることをそぎ落としてくれる。他にも、審査の最新の傾向など、本では決して書かれていない最新の情報を教えてくれます。
審査にも動向があるのですか?
そうですね、審査の動向は常に変化しています。
ここでは詳しくお伝えできませんが、そういったところも的確にお伝えします。
(8)Pマーク取得コンサルティングだけではなく、最新の情報を網羅するプロ |
審査や、個人情報保護に関する最新の情報を提示していただけることは、うれしいですね。
そうなんです。私たち自身は、個人情報保護法に対して、ただPマークを取得すればいいとは思っていません。特にSansanのようなビジネスをしている場合、会社が個人情報保護に関する情報をキャッチし続けなければならないのです。
例えば、名刺の持ち主は誰なのかというような原理原則的なものから、名刺の取り扱い方法や個人情報の法的な取扱いについてなど不明な点についてはディスカッションさせていただいて一つ一つ明確にしてきました。こういったことにも、非常に価値を感じます。
だから、Pマークを取得する過程で、個人情報保護に対する理解が圧倒的に深まりました。
オプティマ・ソリューションズのすごいところは、Pマーク取得のテクニックに秀でているということはもちろんのこと、それ以外の個人情報関係の質問をSansanの社員がどんどんしていたのですが、それにも的確かつクイックに対応してくれた。素晴らしい専門家、プロ集団だと思いました。
例えば、どのような質問をされたのですか?
具体的な内容は省略しますが、私たちSansanは個人情報に関する足腰をしっかり作っておかないと、業務に差し支えが出てしまうんです。その他にも、世の中には白や黒だけでは割り切れないものが存在しますけど、そういう専門家にしか分からないようなことまで教えていただきました。
(9)最初は期待していなかった |
オプティマ・ソリューションズには、最初からそこまで期待されていたのですか?
オプティマにというよりは、コンサルタントの起用には正直、懐疑的な面がありました。
私たちSansanは、もともと自分たちでPマークを取得することを考えていました。
ですので専門家に頼めば、ひな型はもらえるし、Pマーク取得するまで面倒をみてくれるというので、何かの役に立ってくれるだろうと、そういう気持ちでした。オプティマ・ソリューションズは、はるかに期待を上回ってくれました。
(10)作業で一番大変だったこと |
無事Pマークが取得できましたが、いかがですか?
正直、「安心した」というのが感想です。
Pマークの一般的な事例を知った後は、こんなに早く取れるとは思ってませんでしたから。
ただ何だかんだ言いながらも、やることを集中的に行ったというのもあり、結構大変でした。
申請までに一番大変だったことと言えば、なんですか?
個人情報を洗い出して、業務フローを記載するというのは大変でした。
やはり自分たちで作らなければいけないものが結構あるので、それはさすがに2日でやるのは大変でしたね。
当日、オプティマ・ソリューションズのコンサルタントの遠藤さんは、次から次へとプリントアウトを指示し、ファイリングを繰り返されていました。普通は電子データで作っておいて後でまとめてプリントアウトすることが多いと思いますが、遠藤さんは完成したところから一枚一枚プリントアウトしてましたね。
あれは、多分オプティマ・ソリューションズのスタイルなんですね。
ファイルに埋めていくやり方が分かりやすくていいですよ、
ものづくりしている感覚ですね。
(11)オプティマ・ソリューションズの強さ |
Sansan様のPマーク取得にあたって、気をつけた点などございますか?
とにかく、一番はスピードを重視したいと思っていましたので、クイックレスポンスに注力し、準備作業についても、短期間に集中して実施するようにしました。
また、個人情報保護法やJIS Q 15001をどのようにSansanさんの名刺関連ビジネスに適用し、整理するかという部分に頭を使いました。こういう実務経験は自分たちの知の蓄積にもなっていきますので、大変ありがたい経験でした。
(12)Sansan様、今後の抱負 |
今後の抱負をお願いします。
Sansanとしては、新しい市場を作ろうとしています。
ようやく初期市場が作られてきたくらいですので、まずは市場を盛り上げてマーケットをリードしていきたいと考えています。
オプティマ・ソリューションズには、現在も継続してコンサルティング契約をお願いしており、継続的に情報をいただいています。これからも、こういったやり取りの中で長くお付き合いさせていただければと思っています。それとともに、常にスペシャリストであっていただきたいと考えております。
お忙しい中、ご協力ありがとうございました。
※ Sansan株式会社様のWebサイト
※ 取材日時 2008年10月