従来の英語教室とは一線を画す「英語コーチング」という新しい業界を切り拓いているトライズ株式会社。同社は、お客様一人ひとりのゴールから逆算し個別最適化した学習設計と個別指導により1年でビジネスで通用する英語を話す力を身につけるプログラムを提供することで、多くの顧客に支持されています。
同社は、個人情報の保護を徹底するためにプライバシーマーク(以下、Pマーク)を取得し、その取得と運用に力を入れています。特にコロナ後の急成長に伴い、社員数が増加したことで、情報管理の重要性がますます高まっています。
Pマークを取得することでどのような変化が社内に生じたのか、またその取得と運用にあたりどのような工夫をしているのかについて、代表取締役社長の三木雄信氏と執行役員管理部長の酒井隆一氏に詳しくお話を伺いました。
御社の事業内容を教えてください。
「英語コーチング」という新しい業界を切り拓いています。英語のコーチングは、パーソナルトレーニングジムのようなものです。通常の英語教室とは異なり、英語自体を教える部分は少ないですが、英語を話す力を身につけるための正しい学習法などの指導を行っています。また、専属ネイティブコーチによる英語のレッスンも提供しています。お客様一人ひとりに最適な教材を専属コンサルタントが選び、効果的な学習をサポートしています。
御社の事業内容にとってPマークはどのような観点で必要だと感じましたか?
当社が事業を立ち上げた段階で、Pマークの取得は大前提として考えていました。まず、お客様の希望を詳しくお聞きするために非常に細かなプライベート情報を収集する必要があり、そのため守秘義務が非常に重要です。また、お客様の個別の学びに1年間しっかりと寄り添うためには、プライバシーの保護が不可欠です。さらに、新型コロナウイルス後に年間40%前後の成長を遂げ、社員数も130人に急増したため、組織の仕組化が重要になっています。以上の理由から、Pマークは当社にとって非常に重要な要素となっています。
Pマークを取得して良かったと思う点は何ですか?
Pマークを取得したことで、まず「Pマークの観点から見て、このシステムは導入できるのだろうか?」という視点が社内に新たに加わりました。この視点は、情報管理やセキュリティに対する意識を高める助けとなり、社員全員が個人情報保護に対してより慎重に取り組むようになりました。また、「Pマークの運用にあたり、しっかりと工数を踏もう」という理由が、社内外での説得力を持つようになりました。これにより、情報管理に関する指針や対策を導入する際に、社員やお客様からの理解を得やすくなりました。
さらに、Pマークの取得をWEBサイトに掲載することで、当社の信頼性が高まりました。お客様に対して、当社が個人情報保護に真剣に取り組んでいることを示すことで、信頼感を築く一助となっています。このように、Pマークの取得は社内の意識向上と外部からの信頼獲得の両面で、大きな効果をもたらしています。
弊社をお選びいただいた理由はありますか?
御社の担当者を以前から知っていたという信頼感が大きかったです。さらに、インターネットで調査した際にも、御社の信頼性やサービス内容に問題がないと感じました。具体的には、顧客満足度の高いレビューや実績が豊富であること、透明性のある情報提供などが他社と比較して魅力的でした。こうした点を総合的に評価し、御社を選びました。
Pマークを取得して御社の中でどのような変化がありましたか?
Pマークを取得したことで、社内にはいくつかの変化が見られました。まず、新しいサービスを導入する際やプロジェクトを立ち上げる際に、「Pマーク的にどうか」という視点から事前に議論する習慣が定着しました。これにより、個人情報の保護や情報セキュリティに対する意識が格段に高まりました。
また、システム選定では、Pマークの基準を満たすかどうかが重要な判断基準となり、安全性が重視されています。
また、Pマークの規程に合っているかどうかという視点を取り入れることで、内部の運用だけでは見落としがちな点を徹底的にチェックすることが可能となりました。これにより、情報管理の厳格さが一層強化され、信頼性の高い企業運営が実現できています。Pマークの取得は、社内の意識改革と業務の質向上に大きく寄与しています。
Pマークを運用するにあたり、どのような研修体制を取り入れていますか?
当社では、Pマークの運用に際して、徹底した研修体制を整えています。具体的には、年に一度の確認テストを実施し、社員全員が情報保護に関する知識をしっかりと理解しているかを確認しています。
この確認テストでは、情報保護の基本的な概念から具体的なケーススタディまで幅広い内容をカバーしています。実務に即したシナリオを用いて、社員が実際の業務で適切に対応できるかどうかを評価します。
また、他にも多様な研修を行っています。その一環として、E-Learningを導入しており、約120人のメンバーが利用しています。このE-Learningは、自分のペースで学べるため、社員からも好評です。受講者からは「振り返りができるので、理解を深めることができる」「短時間でサクサク学べる」「在宅勤務の人にとっても便利」といった声が寄せられています。
このように、当社ではPマークの運用を効果的に行うために、多角的な研修体制を整え、社員の理解と実践力を高めています。
内部監査の内容について詳しくお聞かせいただけますか?
当社では、年に一回、管理部門が各部門を訪問して内部監査を実施しています。この監査は、各部門の長に対して行われます。
具体的には、各部門の管理情報を確認しています。標準化されたフォーマットを使用して情報を提出してもらい、それに基づいてチェックを行います。このフォーマットは、Pマークの申請用紙を拡張したものです。監査では、「新しく企業に個人情報を渡す機会はありますか?」といった内容の質問を行い、個人情報の管理状況を確認します。
また、当社では社内の協力体制が非常に良好で、各部門に対して監査を依頼すると迅速に対応してもらえます。このような協力体制のおかげで、内部監査が円滑に行われ、全社的に情報保護の徹底が図られています。
御社を担当しているコンサルタントへの率直な感想をお願いします
弊社を担当していただいているコンサルタントについて、非常に満足しています。まず、質問への対応が迅速である点が非常に助かっています。どんな疑問や不安にも素早く対応していただけるので、安心して業務を進めることができます。
また、当社の体制変更などにも丁寧に対応していただける点も評価しています。成長過程にある当社の状況をよく理解してくださり、その状況に応じた柔軟な対応をしていただけることが大変ありがたいです。
さらに、アドバイスも的確で、当社の運営がスムーズに進んでいます。
このように、コンサルタントには非常に感謝しています。
2024年3月に更新されていると思いますが、更新の際に注力したことは何ですか?
2024年3月の更新に際しては、将来的には上場も検討しているため、しっかりした体制を作ることに注力しました。時間に追われてバタバタと進めるのではなく、しっかりと準備を整えた上で進めることを目指しました。突貫作業で対応するのではなく、綿密な計画のもとで進行することが社内で共有されており、単なる一回限りの更新対策ではなく、年間スケジュールに組み込んで進めていく方針です。
また、更新作業で一番大変だったのは、過去の資料を振り返ることでした。記録をかき集めるのに非常に手間がかかり、特に前任の担当者が変わった際に、必要な記録がどこにあるのかを探し出すのが困難でした。このような課題に対処するためにも、今後は継続的な記録管理の重要性を再認識し、改善を図っていく予定です。
今後の企業の展望をお聞かせいただけますか?
弊社は、日本企業のグローバル化に貢献したいと考えています。現在、12か月で英語が話せるようになるプログラムを提供していますが、話せるようになった人々が実際に英語を使う場所が少ないことが日本の課題です。この問題を解決するために、英語のサブスクリプションサービスを開始し、英語で話せるコミュニティを提供しています。
また、AIを活用したシャドーイングのサービスも展開しており、月額1980円で利用できるようにしています。これにより、効率的に英語力を向上させるサポートを行っています。
私自身、以前は英語を話せず、転職した際に出張先のシアトルでコミュニケーションに苦労しました。出張中、ただ話を聞いているだけだったため、話す必要が出てきた時に独自の勉強法を編み出しました。この経験を通じて、英語を話せることの重要性を実感し、その後の事業立ち上げにも成功しました。このような背景から、弊社のサービスを通じて多くの人々に英語を話せる喜びと自信を提供していきたいと考えています。
これからPマークの取得を検討している人にアドバイスをお願いします
三木様>
Pマークを取得するかどうかで悩む必要はありません。現代のオンライン化が進む中で、リスクが高まっており、個人情報を扱わない事業はほとんど存在しません。そのため、まずはPマークを取得してみましょう。Pマーク取得という明確な目標があることで、何をすべきかがはっきりと分かるようになります。
酒井様>
Pマークは、早かれ遅かれ取得するものです。ですから、早いうちに取得しておくことをお勧めします。Pマーク取得は、必ず通る道ですので、早めに取り組むことで後々のリスクを減らし、安心して事業を進めることができます。